午前中書き物。日本語でなんと言うのかわからない言葉があったのでググるとすぐに出てきた。それがなんとアメリカで同じ研究をされている日本人ポスドクのブログ。昆虫のことがいろいろ書いてあって勉強になった。へーと思い日記をちょっとのぞいてみる。なんだ、今は日本にお帰りになったのか。はっきり書いていないのでよくわからないが、今は医療系のラボでマウスを扱っているようだ。不本意な様子がにじみ出ている。なぜ?と思い日を遡って読み進める。もうやめられない。去年の6月に長くいたアメリカのラボを離れている。どうしてだろうとさらに読み進めたが理由を見つけることは出来なかった。どうもそこのボスは人間的にはいまひとつという感じに読めた。なかでも印象に残った言葉「研究に突進して、振り返ったら人生計画を立ててなかったことに気づいたこの頃。これがポスドクの末路」うわっ板杉。苦闘する基礎研究者の姿がここにもあった。はっきり言って日本での基礎研究なんて終わっているのではあるまいか?かといってアメリカも厳しいしえげつない。でもチャンスはずっと多い。
ふと数週間前うちにセミナーに来た、この分野では名の知られた研究者のことが頭に浮かんだ。そこで発表された仕事に日本人の名前がクレジットされていて「彼はもう日本に帰った」とその研究者は言っていたのを思い出した。場所も同じだし、こんな仕事している人なんてそんなにいないだろう、そうだ、きっと彼に違いない。論文何報も出していて「いい仕事してるな、きっと今は日本でラボ持ってるんだろうな、いいな」なんて思っていたが・・・。こんなに昆虫が好きで詳しくて、きちんと結果も出していて、俺など足元にも及ばないのに・・・。すっかり暗澹たる気持ちになった。
夕食にブタのステーキ自分で作って食べ、ラボに戻る。DNAを泳動しつつグラント書く。しかしこんなのが採用されるとはとても思えない。やはり仕事探しだ、とnature jobでポスドク募集をざっと調べるがこれといったのは見当たらず。DNAの泳動結果も相変わらず訳分からんかった。もうだめだ・・・とブルーな気分でアパートへ戻った。
さて、これからどうするか。ここに来てようやくあとたった6ヶ月しかない、と気づく。やれやれ本当にのん気だね。実験、グラント、職探し、この3つを同時にやろうとするとどれも中途半端に終わりかねない。「各個撃破」は戦争戦略の基本である。思い切って実験に集中し、なんとか論文にまで持っていくか?不可能ではないだろうが、どう考えてもこのテーマでは大したものにはならないし、半年後何も決まらないまま日本帰国だ、うげっ。では仕事探しに精を出すか?しかしそれではこの3年間は何だったんだ、遊んでいたも同然になってしまう。くっそーこんなことならテーブルマウンテン行っておくべきだった、「人生に後で、なんてない」という良い?教訓。
まあこんな感じで当分は思い悩む日々が続くのだろう。こういうときは「チーズはどこへ消えた?」を読んで自分を勇気づけよう、何度でも。「男は遊びと危機で作られる」という開高健の言葉を信じて。
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