今日はゆっくり起き、のんびり朝食をとる。10時より予定していた大学院生との話し合い。彼の研究内容をいろいろ聞く。ちょっと長引いたあと、教授と会談。「どうでした?」と聞かれ「いや、すばらしいですね」とありきたりに答えると「具体的にどんなところが?」と昨日とは打って変わって鋭い質問を浴びせられイクラちゃんタジタジ。「あれ?なに?急にどうしちゃったの?」みたいな。守りにまわると弱い。「いろんな人がインタビューに来てうちの仕事をしたいと言うけど、あなたはどう考えているの?」なんとか答えるがそれをさらに追求する問い。そして「じゃあAとBとC、3つあるプロジェクトで選ぶとしたらどれ?」と問いつめられ本流ではないBとC2つと答えると「そうか、やはり私の仕事はつまらないと思っているんだな」とえらくがっかりした様子。そして今度は「あなたのためにもあなたの今のボスのためにも今の仕事をしっかりやり遂げることが重要ですね」「人は少しずつ採用していこうと思ってます、8月頃結果をお知らせする予定ですが、まあkeep in toughで」などと言い出す始末。「え?ちょっと、はぁ〜?」みたいな。この展開、以前電話インタビューで失敗した時と実に良く似ている、あかんわ。
彼は本当に俺が脳神経の地図作りをやりたいと思っているのか知りたかったのだろう。しかし俺は昨日のPIとの会談にとらわれてしまったせいか、機能面にこだわってしまった。機能と構造は不可分なのに。そして手にしたと早合点した幸運は、たった30分の話の間にするりと手の中から抜け落ちていった。「ちょっと待った、今のなし、もう一度午前10時からやり直して」と思ったがもちろん人生にリセットボタンはなく、「助けてドラえもん〜」と泣き叫ぶのび太か。チャンスの後ろはハゲ頭、か。
会談は終了し、ラボでお手伝いをしているらしい娘さんと3人でランチ。昨日の饒舌がウソのように静かな教授。そんな空気を察してこっちもがっくり、喋る元気出ず。でもなんとか話題をふって会話を盛り上げる。そして二人とお別れ。荷物を取りに部屋に戻り、車に乗り込む。もと来た道を戻るのはつまらないので一度も来たことのないShenandoah national park skyline drive北側を通って帰ることにした。そとはものすごい熱波だが心は晴れない。これはあれか、無理目な美女をデートに誘ったら予想外にオッケーな返事で、しかもデートもことのほか盛り上がってすっかり舞い上がり「これはもらった」と思ったとたん些細なことから「そんな人だとは知らなかった、さよなら」とか逃げられて「えっ?ちょっ、えぇ〜〜〜???」みたいな。いやお見合いに例えた方が近いか。お見合いしてみたら意気投合してこの人でいいかな、と思ってたら「愛してるの?」とか言われ「それはこれから二人でゆっくり時間をかけて違いを乗り越えてお互いのことをわかり合っていきましょう」とゆるいこと答えたら「わかったわ、まだ以前の彼女のことが忘れられないのね、さよなら」と逃げられて「えっ?ちょっ、えぇ〜〜〜???」みたいな。そんなことをうだうだ、グジグジ、クヨクヨ考えていたらせっかくのShenandoah北部ルートも全然楽しめず。とっととskyline drive降りて211号を東へ、さらに231号を南下し、いつもの29号に合流してシャーロッツビルに戻った。
「勝負は最後までわからない」という格言を地でいくような出来事だった。最後まで気を緩めては行けない。逆に言えば勝負がつくまで諦めるな、全力を尽くせ、ということか。結果的にはあれだったが、しかし大変な経験になったことは間違いない。今までずっと研究室というせまい場所に閉じこもって仕事をして来たわけで、自分を売り込むなんて営業活動はほとんど素人な訳ですよ。俺は全然ダメだな、企業に入った俺の同級生たちはこんな事をずっと経験して揉まれて格段の差がついてしまっているのだろうか。もっとインタビュー経験したいな、今度は企業のインタビューで揉まれてみたい。そう思う反面教授の言葉にも納得するものがあった。今はとにかく仕事を完成させることに力を割くべきかもしれない、俺のキャリアのためにも、ボスのキャリアのためにも。うーん、難しい選択、どうするかな。
このようにして今回の冒険は終わった。そんなわけで御大ごちそうの話はなくなりましたんで、そこんとこヨロピク!
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