寝不足と疲れが溜まっていたのでぐっすり寝る。時差ぼけで早く目が覚めて着替えなどしていると猫があれこれ匂いを嗅ぎにやって来た。9時半頃キャロライン、ラファエルが研究室まで連れて行ってくれることになった。外はすばらしい快晴、空気は冷たいが澄みまくっている。黄色や赤に紅葉した背の高い木がすぐ目につく。ロンドン郊外と同じく、緑豊かな町だ。しばらく歩くと巨大な照明付きスタジアムが見えて来た。フットボール球場らしい。ヨーロッパではフットボールと言えばサッカーのことだが、ここではアメリカンフットボールを意味する。それにしてもでかい。これがいち大学の施設か。まるで大阪大学が甲子園球場を持っているようなもので、アメリカのでかさにいきなり度肝を抜かれる。15分くらいでキャロライン曰く「醜い」生物学科の建物に着いた。そして研究室まで連れて行ってくれた。
新ボスのハーマンがラボや施設を案内。まず研究室がえらい散らかっていて驚く。機材も少ない。大丈夫か?すぐ隣はハエの部屋。これまた汚い。「ほんとはここがポスドクとか学生の場所なんだけどハエに占拠されちゃってるだろ、隣のジェイのところが空いてるのでそこでいいかな、がははっ」といって隣のハエの研究室に連れて行かれる。ヒゲのおじさんが出て来て「おおっ、机あいてるよ」。ということで来て一日目で里子に出された。岡崎の、まるで自分だけのオフィスのようだったのと比べてなんという違い。とほほ。
昼はボスの案内で近くの日本食レストランに行くことになった。途中あれこれ建物の説明を聞きながら大学敷地内を抜けて行くのだがその広さ、いつまでたっても終わらない。まわりの人達、以前いたロンドンと比べるといわゆる白人が多いのに気づく。ロンドンはまさに人種のるつぼだったが。やはり大学だからか、若い人が圧倒的に多い。そしてなぜか女性の方が多いような気がする。そしてそしてなぜか、ロンドンよりずっとかわいい子が多い!わーい、うれしいな。レストランでは天ぷら定食をおごってもらった。結構いける。10ドルちょっと。そしてまたてくてく歩いて研究室に戻った。
反対の廊下の研究室にいる日本人の人が話しに来てくれた。ここはのんびりしたところなのであっという間に時間が過ぎて行った、とおっしゃる。アメリカでは結果を出さないとすぐクビになると聞いていたので少し安心。午後は論文読もうと思っていたが眠くて仕方がない。4時にボスが車で大きなショッピングセンターに買い物に連れて行ってくれた。布団、枕、シャンプーなどを買う。それから彼の家で夕食をごちそうしてくれた。大学を出るとすぐに森が広がり、紅葉が続く。彼の家は新興住宅街といったところにあった。同じオランダ人の奥さんと、こんど4歳になる男の子が一人。夕食は単にパンを自分で勝手に切って自分で勝手に好きなチーズを切って好きな野菜やパックの中のシャケをのせたりして食べるというシンプルなもの。うーむ、オランダ料理は何もないと聞いていたが、こんなの日本では考えられんな、などとごちそうになっておきながら失礼なことを考える。
家に帰ると凄く眠いのですぐに買って来た布団や枕で寝ようとするが、隣の連中がうるさい。どうも学生が住んでいるらしく、金曜夜のパーティーだ。アメリカに来る前、住処をここにするか家族が住む下の半地下にするか迷ったが半地下にしとけば良かったな、と早速後悔した。
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