この州立公園のことはリッチに教えてもらった。南側には舗装道路が走っており、アクセスが容易で訪れる人も多い。北側はアクセスが容易でなく、その分人も少ないというのでわざわざこちらを選んだ。テントを張るには予約が必要で、広大な公園内に驚くほど少ない人間しかキャンプ出来ないように制限されている。日本の国立公園と比べても仕方ないのだろうが、やはりしっかりしていると思う。美しい自然はこうやって保たれている。残念ながらカメラをT君の車に置いて来てしまったが。
さて、午前中は天気がいまいち。風も強い。そんななかとにかく出発しようと言うことになった。いよいよ冒険の始まりだ!本来は2人乗りのカヌーに荷物を載せ、3人乗って漕ぎだす。 今日の目標はCedar Lakeを行き、その先の川を越えた湖。一番後ろに座った人間が舵を取るらしいが、まっすぐ前に進みゃしない。波を受けてぐらつく。少し行ったところで休憩し、向かい風に向かって再び漕ぎだす。 しばらくしてグラッとカヌーが傾いた。1秒くらいか、「おっと、元に戻さなきゃ」と思っているうちに右に転覆した。俺は野田トモスケの本でカヌーは転覆するものだと知っていたのでそれほど慌てず、「やはり転覆することあるんだな」と思いながら景気付けに「ウォー」と叫んだ。しかし他の二人はまさか転覆するなどとは思っていなかったらしく、思い切りパニクったらしい。ライフジャケットを付けていて良かった。まずカヌーを立て直し、浮かんだ荷物をその中に入れ、カヌーを持って岸に向かって泳ぐ。湖の真ん中でなくて良かった。岸に上がって体制を整え、回収出来ずに流されて行く荷物をカヌーで追っかけ、全部回収した後とりあえず出発地点に戻ることにした。戻ってからはアメリカ生活の長いT君がテキパキと動き、店の人に頼んで火をおこし、濡れた荷物を乾かしたりシャワーを浴びたり、手作りサンドイッチを食べて過ごした。そうこうしているうちに太陽が出て暖かくなって来た。他の人たちは出発していく。もともとアウトドアには興味が無く、俺に誘われてつい参加したT君は転覆のショックですっかりやる気を無くしていたが、釣りだの冒険だのに興味津々の俺とU君が再出発しようと言うので店のおじさんにカヌーの漕ぎ方を教えてもらうことにした。おじさんのテクニックはすごかった。重心を低く保つこと、揺れても慌てず腰でバランスを取ること。おじさんに勇気づけられ午後2時過ぎ再出発。今度は梁の上に座るなんてことはせず、カヌーの底に張り付いて漕ぐ。俺は転覆したことで吹っ切れ、気分も爽快に漕いだ。Cedar Lakeの北の端に着く頃には日がかなり傾いていた。少し迷って目的のキャンプサイトのある島を発見。残念ながら先客がいたので近くの岸にあるキャンプサイトへ。早速蚊のお出迎え。火をおこし、テントを張り、カレーを作って食べる。うまい。9時も過ぎて辺りは暗くなって来た。ずっと漕いでいたので疲れ切って寝る。なんかいろんなことのあった誕生日であった。
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