7/03/2008

旅-8日目


朝一番に目覚めテントを出る。天気は薄曇り。逆さにしたカヌーの下に置いておいた荷物を見てみると、やはり昨日の雨でかなりの部分が濡れていた。川岸に立って湿原を見るとムースの親子が何か食べている。昨日走り去った連中に違いない。しばらくするとみな起きて来た。テキパキとテントを撤収し、荷物をカヌーに積み込み、いよいよ最後の航海。川の流れに乗って美しい湿原を抜ける。憧れの場所で去りがたかったが、しかしもう一泊キャンプするかと言われるともう出来ない、疲れ切って食料も無くなったし、なによりそんな気力がない。Cedar Lake を横切り始めると風が出て来た。もちろん向かい風だ。一番前に座ったT君はパチャパチャやるだけで全然効果ないがそんなことにはおかまいなく、ストイックに漕ぐ。Brent の岸が見えて来た。そしてようやく、ようやく到着。終わった。カヌーを横付けし、荷物を車に載せ、暖かいシャワーで汗と疲れを洗い流す。カードで支払いを済ませ、10時頃 T君の運転でBrent を離れる。空はさわやかに晴れ渡った。さらば、野生の地。
 ロード沿いのレストランに入る。久しぶりのまともな食事。飢えたU君が小汚くガツガツ食いだした。マナーもクソもあったもんじゃない。そう言えば「妖獣ムベンベをさがせ」という本で、アフリカのジャングルに40日間も怪獣探しに行った早大探検部の連中が、探検が終わって文明社会に戻ったとき食べるのを止めることが出来なくなって困った、食べ過ぎて吐いてもさらに食べ続けた、と書いてあったが、それに近いものだったんだろう。テーブルの上においてあるマーマレードのパックをわしづかみにして持って帰りたい、という欲求を抑えて店を出た。
 明日は7月4日、独立記念日できっと混むので思い切って一気に T君の家まで戻ってしまおうという無茶な計画。途中運転を代わろうとT君に言うが、俺に気を使っているのか自分が運転したいからか(きっと後者)代わってくれない。何だよ助手席にずっと座っているなんてつまんねーよ、と不機嫌、後部座席でふてくされて寝る。途中でやっと運転代わり、国境を越え、レストランでハンバーガーを食べ、運転代われとうるさいので T君と交代し、もう勝手にしろ、と後ろの席で横になる。夜になり雨が激しく降って来た。長距離運転に慣れている T君は休むことなく走り続ける。 夜中の2時本当にニュージャージーの T君の家に着いた。さすがに助手席にずっと座っていたU君もフラフラだ。600マイル、約1,000キロ、まったく頭いかれてるね、俺たち。

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